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  2023年
  3月
 
 2月に続き、国産材・外材ともに全体的に弱基調で、上昇要因は少ない。
 一部を除き価格の値下がりが続いている状況。
 3月の価格については、構造材は一部国産の役物を除き、管柱、通し柱、大断面平角を中心に
 下方修正が続いている。また、羽柄材、造作材の2×4も同様となっている。
 合板については、在庫を抱える中、入荷状況も悪いが、価格は様子見の状況である。
  
  2023年
  2月
 
 1月に続き、国産材・外材ともに全体的に弱基調で、上昇要因は少ない。在庫調整も未消化で、
 一部を除き価格の値下がりが続いている状況。
 2月の価格について、構造材は国産の役物を除き、スギ・ヒノキのKD特1、WW・RW集成管柱、
 通し柱、WW・RW集成管柱、羽柄材のWW間柱、WW野縁・胴縁などに一部価格の下方修正が続いている。
 合板については、在庫を抱える中、入荷状況も悪く、一部値下げの動きあり。
  
  2023年
  1月
 
 全体的な市況は、12月と同様に荷動きが鈍く製品価格が伸び悩み、建築需要の減少も危惧されている。
 1月の価格についてであるが、構造材については国産の役物を除き、WW・RW集成管柱、
 一部外材KD平角・集成材、WW・RW集成管柱、羽柄材のWW間柱、WW野縁・胴縁、
 造作材の2’×4’など一部価格の下方修正が続いている。
 合板については、在庫を抱える中、入荷状況も悪く今後は値下げの可能性もありうる。
  
  2022年
  12月

 全体的な市況としては、資材等の高騰による建設コストの上昇から、プレカットについては、
 住宅メーカーからの売渡し価格の値下げ要請に対し、ウッドショック後の企業努力にも限界にきており
 価格転嫁も厳しく、年明けからの対応が更に難しい状況となっている。
 また、金利上昇から建築受注を控える風潮が懸念されており、また中国のコロナ対策緩和により
 供給側の対応に変化が生じる可能性もある。メーカー資材高騰に伴う値上げ傾向から、価格の上げ下げの
 駆け引きが難しい状況になるであろう。
 今年は、ウッドショックによる価格高騰、ウクライナ侵攻による供給不安や円安による物価高など、
 木材業界においても先行きの見通しの難しい状況となった。 国においては、こうした悪い流れを
 断ち切るためにも、国産材の復権を目指し林業・木材産業関連施策のさらなる充実強化を期待する。

 12月の価格についてであるが、国産材の構造材や羽柄材を中心として7月からの値下がりから一息つき、
 概ね価格に変動のない状況となった。外材の在庫調整も進みつつある中、一部外材のWW・RW集成管柱、
 WW間柱、米松根太・タルキ、ロシアアカマツやWW野縁・胴縁など一部価格の下方修正が続いている。
 合板については、高値安定基調により価格の変動はないものの針葉樹合板については弱気に推移しており、
 年明けは値下げの可能性もありうる。
  
 2022年
  11月

 
 ロシアのクリミア侵攻から10か月が経過しても戦争終結の目途が立たず、エネルギー資源、
 小麦等穀物の資源確保をめぐる価格高騰は消費者物価を押し上げている。
 コロナ禍での感染防止と経済両立が図られることでEU諸国や米国は景気が上向き、様ざまな素材や
 木材を含む資源が価格高騰してきました。
 日本では春以降の需要予測が難しく、高騰した産地価格で仕入れすべきか難しい判断に迫られました。
 輸入木材に頼る木造住宅市場では2021年夏以降北欧材、北米材とも過去の事例を遥に超える木材
 の価格高騰と品不足に陥いりました。結果的に輸入材の価格高騰が国産材を含む木材全体の価格高騰
 を招きました。昨年末より木材流通在庫が一掃されて品薄が続いていましたので、堅調な需要に対応
 するためには高値警戒感を持ちながらも今年春以降には新規の契約を余儀なくされました。

 想定を超える資材価格高騰は建築請負業者にとっては見積すら困難になり契約先延ばすことで情勢を
 見極める模様眺めの市場へと変化しました。
 そのような情勢の中、発注、契約から3〜4か月のタイムラグが生じる高値産地価格での輸入材入荷
 が続々と入荷し港湾保税倉庫が適正な受け入れが出来ない入荷過多になり、乾燥材でありながら屋根
 がない土場へ野積み保管する事態となりました。
 針葉樹合板など堅調な価格を維持する中で、入荷過剰となった間柱など北欧針葉樹製品の値下げが
 散見される状況となり、北米産針葉樹や国産材への市場動向にも注視が必要です。

 コロナ禍という異常な経済環境にクリミア戦争が重なり、主要な構造材や羽柄材を輸入に依存する
 木材資源の調達の仕方を考える契機と捉え情勢を見極める必要があります。
  
 2022年
  10月

 
 クリミア紛争が9か月続いて長期化、泥沼化して武器供与や経済制裁を通じた圧力はロシアのクリミアへの
 攻撃を激化させ強硬路線へ向かわせる傾向が強まっている。

 為替相場が1$=150円に迫る急激な円安に振れたため輸入木材の仕入れコストは上昇を続けて北欧材
 北米針葉樹など主要な品目がコストアップし状況はさらに深刻になった。 春先から夏場の契約分が増大し
 ていたため北欧材間柱など港湾倉庫の在庫が増えているため短期 的な材料不足の懸念はないが、
 高値警戒感が強く荷動きは悪く、相場は踊り場に差し掛かっ て来た。先月に引続き商社や問屋は在庫
 過多による販売苦戦と円安によるコスト高の市場価格への警戒感が根強く模様眺めの展開となっている。

 コロナ禍にあっても住宅に適する宅地供給が少なく地価が堅調なため分譲需要は強く全体としては需要は
 堅調ではある。外国人観光客の入国緩和、GoToトラベルなど観光、飲食業への経済対策が始まり国内の
 個人消費やインバウンド需要が期待される。

  
  2022年
   9月
 
 気象庁は7月中旬には梅雨明け宣言をしたものの、過去に例がないような動きをする台風等により
 8月、9月と例年より雨が多く梅雨の様な秋雨前線が繰り返し居座り天候不順が長引いた。
 天候不順は木材需要にも原木伐採の減少や、建築工事の遅れなど少なからず影響している。

 クリミア侵攻したロシアは、アメリカやEU主要国のクリミアへの武器供与で苦戦をしている。
 戦争がここまで長期化すると、経済制裁を通じた圧力はロシアの強硬路線へと助長している。
 ロシアの天然ガスや木材を輸入する日本は、資源確保では決定権がなく振り回されている。

 為替相場が円安に振れ、半年の間に30円以上変動したため輸入木材の仕入れ価格は上昇。
 北欧材、北米針葉樹など主要な品目がコストアップしている。
 第2四半期での契約分が増大していたため北欧材間柱など港湾倉庫の在庫が非常に増えている。
 価格を下げてでも在庫を減らすのか?円安によるコスト上昇をどう転嫁するか?
 商社や問屋は在庫過多による販売苦戦と円安によるコスト高の相反する悩みに苦慮している。

 コロナ禍にあっても分譲需要は強く全体としては需要は堅調ではあるが、高値警戒感が強く
 プレカット工場への発注をずらしながら模様眺めをするデベロッパーが増えている。
 在庫過多をうけて9月、10月の輸入は減少することが分かっているので、為替を逆手に
 市場価格を維持することが望まれる。
 
 
 2022年
   8月

 7月上旬に梅雨明け後、7月後半からお盆を過ぎても各地で豪雨が頻発し被害が多発している。
 地球温暖化の兆候は世界中で起きており、中国やヨーロッパで高温が続き雨が少ない水不足が生じ、
 河川の船舶物流機能が低下し、水力発電による電力不足に陥っている。

 ウッドショックと言われる木材価格高騰がこの夏場に着て高値警戒感が続き荷動きが悪い。
 為替円安により北欧材輸入品は最も高いコストとなっているが、保税倉庫等荷受け倉庫に余裕がなく、
 港湾在庫は入荷過多、在庫過剰となっている。国産材ヒノキ相場が下落して過剰感がさらに増幅した。

 プレカット工場の新規見積もりや受注は高値警戒感から先送りや延期が続いている。
 極端な資材不足に陥ってウッドショックが起こったが、空前の売上と利益に味をしめ各商社とも
 輸入材の主要な産地との買い付けがここにきて過剰感をもたらしている。
 
 
  2022年
   7月
 
 クリミア紛争は小麦やトウモロコシなどの穀物、石油や天然ガス等の資源をめぐる戦争となった。
 国内では参議院選挙の最中の安部晋三前総理が銃殺されるという事件が起きました。
 1日の感染者が連日20万人を越へ、累計感染者数は1260万人に達し、コロナウィルスの転位株
 NA5の感染力が猛威を奮っている。主要な産業を担う多様な工場やや医療現場においても感染に
 よる人出不足が深刻な状況に拍車を掛けている。
 
 木材を始め様々な建築資材高騰により6月7月においては高値警戒感があり先行き不透明感から
 模様眺めの局面にさしかかって来た。
 北欧材を基材とする集成柱や間柱等の主要な品目の仕入れ原価が高値が続いており輸入材に
 おいては、模様眺め局面にあっても慎重な判断が求められる。
 国産材丸太の出材が梅雨が短く順調で素材供給が増えて製材用丸太が値下がりしている。
 ヒノキの土台、柱、羽柄材は高値警戒感から模様眺めが買い控えとなり値下がりした。
 工務店等の高値警戒感は発注を遅らせたり再見積もりするなどの動きが出ている。
 高値警戒感があるものの7月時点ではプレカット工場の稼働は堅調に推移している。
 
 
 2022年
   6月
 
 ロシアとクリミアとの戦争はNATO諸国の武器供与により激戦化、長期化している。
 EU諸国のロシアへの経済制裁は戦争終結への筋書きに導く効果が出ていない。
  ロシアの強硬姿勢がクリミアの独立姿勢を増幅させて双方譲らず戦況は長期化している。
 国内では参議院選挙が始まり、国民の感心がコロナ規制から経済拡大政策へと目が向いて来た。
 
 国産材丸太は合板工場への供給にシフトされ、木材市場への出材は少ない。
 スギ、ヒノキとも4000円〜5000円程度の下落だが、製材用丸太の動きには迫力がない。
 土台、柱、羽柄材製品の荷動きも梅雨時期でもあり模様眺め姿勢が強く市場の動きは悪い。

 6月上旬に西日本の大手合板工場が火災により全焼したことから、針葉樹合板の生産量は減る
 見通しとなって価格は強含み高止まり市況となった。

 個人住宅向けプレカットの受注は去年ほどの牽引力はない物の比較的堅調で推移している。
 ハウスメーカーや大手ビルダーも同様で様々な資材高騰や配送コストの影響が響いている。

 6月27日に気象庁が梅雨明けを発表。史上最短の梅雨となり、水不足や干ばつ被害が懸念される。
 コロナへの経済対策で観光業、サービス業、鉄道、航空関連等の景気浮上が期待されるまでのは
 まだ数か月かかりそうだが、間違いなく国内経済を牽引してくれることを期待したい。
 
 
 2022年
   5月
 
 クリミア紛争は3か月経過し、更に長期化し資源や素材の物価高騰が続いている。
 原油、LPガスなどインフラに必須の資源や重要な食料素材としての小麦などのロシアの輸出規制
 がEUだけでなく世界中の物価高騰を引き起こしている。
 
 輸入木材への依存が高い日本は国産木材へのシフトを急いでいるが簡単ではなく時間を要する。
 スギ、ヒノキ素材は針葉樹合板工場への比率が高くなったが、一般製材用素材は頭打ちである。
 毎年、5月後半〜6月は梅雨入りのため、出材、原木供給は減少し市場では入荷が減っている。
 大手の柱、土台等構造材専門工場は需要の先行きを不安視して模様眺めとなって来た。

 今月は針葉樹合板の値上がりが続いており当面の間、品不足が続きそうである。
 建築で使用する合板は木材以外での他の素材での転用が難しいため局面は変わらない。
 個人向け住宅需要はマンション等分譲物件が需要を牽引しており堅調である。
 プレカット工場の稼働も堅調で木造住宅でも高値警戒感を持ちながらも着工率は維持されている。

 いずれにしても落としどころが見えない戦争が長期化して、様々な産業や貿易に影響が続く。
 
 2022年
   4月
 
 ロシアのクリミア侵攻は両国とも一歩も引かず長期化しています。
 欧米諸国と日本によるロシアへの経済制裁に目立った効果が見えないまま、制裁による貿易停滞が
 様々なマイナスとなって原油、LPガス、素材、原材料の値上がりが顕著となって来た。

 シベリア極東の木材資源のアカマツ、エゾ松など日本との長い歴史があり住宅下地材として使われ
 てきたが、今回の紛争により原材料確保は非常に難しくなった。
 カラマツを基材とする針葉樹合板、北欧材の輸入停滞、産地価格の高騰へと発展してきた。
 原油、LPガスの価格高騰は物流コストを上昇させるだけでなく、様々な生産コストに直接影響する。
 
 現時点から5月、6月ぐらいまでは目立つ影響が出ないかもしれないが、7月以降年度後半には
 木材、合板の価格校とだけでなく深刻な品不足に見舞われる可能性がある。
 国産材を基材とした針葉樹合板の供給がどこまで市場に対応するか?がポイントとなる。
 代替材となりうる様々な可能性が進む契機となることは間違い。
 

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