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 2018年
  3 月

  2月、3月はピョンチャン冬季オリンピックや北陸豪雪、森友問題へ国民の関心が向く中、
 国内経済は景気を牽引する好材料がなく、停滞している。
 日銀がデフレ脱却を目指し低金利を続けており、住宅取得の低金利が維持され個人消費
 は堅調と見られており、外国人観光客の増加など実態経済は然程悪くはない。

 トランプ政権が貿易不均衡を理由に保護主義を強めており、為替や株価が不安定な状況。
 原油高、人手不足による物流コスト上昇や働き方改革への対応など企業側の課題は切迫。
 安倍内閣の支持率が低下する中、外交、内政とも政局は不安定で流動的なな状況が続く。

 米松の原木不足により産地価格が高く、製材大手は梁、桁、羽柄など一斉に値上げ。
 国産材丸太は雪の影響もあり、合板用原木や土台取り適寸は供給が少なく、強含み。
 北米産地や川上の動向とは裏腹に、住宅建築市場は資材値上げに対し静観している。

 プレカット工場の稼働率が12月以降低下して採算性を悪くしている。
 4月以降の新規見積りと受注が当面の課題となって、木材市況が左右されそう。
 
 
 2018年
  2 月
 
 2017年は安倍政権が推し進める経済対策や日銀の低金利により景気を下支えた。
 一方では原油高や人出不足により物流、製造コストが高騰し、業種を問わず経営を圧迫。
 輸入木材産地の値上げが相次ぎ、市場は一斉に価格転嫁に転じた。

 しかしながら、価格高騰による投機買などなく、市場は冷静に実需動向を注視しており
 豪雪など季節要因も絡み、新規の受注も乏しく需要は減速している。
 去年秋までの順調な受注に陰りが出てきて、先行きに対する警戒感が強い。

 原油高、人出不足、産地価格上昇などの状況は短期的には改善される見込みがなく、
 木材だけでなく建築関連物価は高止まりで推移すると見込まれている。
   
 2018年
  1 月
 
 新年が明けても、昨年秋口より続いた米松、ヒノキなど主要な構造材値上げにより市況は
 模様眺めが続いている。例年同様とは言え、エンジンがかかってこない。

 2018年は中国が真剣に環境問題に取り組む変革をスタートさせる。
 石炭のよる火力発電依存から自然エネルギーへ、自動車業界がガソリンエンジンからEVへと
 大きく舵を切ることになった。脱石炭、脱石油へのプロセスが始まる年である。

 北欧や北米の木材主要な産地では、山火事などを契機に価格が高騰しており輸入木材に
 依存していた構造材や合板など建築主用木材は国産材へシフトが更に進むと思われる。

 新たなビジネスチャンスが増える一方、業界再編、企業統合など経営再構築が求められる。
 
 
 2017年
  12 月

 山火事により10月、11月と北米産針葉樹の産地価格が高騰し、輸入価格は高止まり。
 国内市場はプレカット工場や大手ハウスメーカーが需要を牽引して堅調だが、一般製材
 工場などは原材料調達が難しく、ヒノキ土台など依然として品不足が続いている。

 11月プレカットの受注は対前年比11%程度落ち込み、品薄にも関わらず焦りがなく静観。
 ガソリン価格の高値が続き、引き続き物流コストが上昇しており、人出不足、職人不足は
 中堅、大手建築現場では深刻な状況。
 12月の市況は原材料コスト高、物流経費、人件費とも高止まり採算悪化が続いているが、
 一般流通ではリフォーム中心の需要で大きな混乱がなく、静観している。

 12月〜3月は例年木材市況は需要期を迎え価格動向が動くことが多いけれど、10月より
 一斉に値上げに動いたため、年末は市場は静かな年越しとなりそうである。
 
 
 2017年
  11 月
 
 衆議院総選挙で議席の過半数を超える自公連立政権が勝利し、国内情勢は落ち着いた。
 北朝鮮問題は依然として不安要因を孕んでいるが、経済制裁が強化され静かな局面。
 
 今夏から続く北米、東南アジアの主要な木材産地は依然として中国が存在感を強め、
 山火事などが契機となった素材不足が続いている。
 中東諸国の原油の生産調整が重く、国内外とも輸送コストや生産コストが上昇して、各業種
 とも値上げに転じる動きが加速している。10月は一般流通の動きが悪いため価格据え置き、
 模様眺めだった市況は、北米産米松を中心として値上げに転じた。

 プレカット受注は昨年より個人向け融資の低金利に支えられ順調に推移してきたが、
 度重なる資材コスト上昇により、個人向け分譲、注文住宅の勢いは収まりつつある。
 しかしながら、非木造系ホテル、商業施設など法人向け建築は底堅く推移しており、
 建築現場では広い職域に亘り人出不足、職人不足が続いている。

 本格的な冬場を迎え、国産材の伐採が進むが、一般製材向け素材が針葉樹合板工場や
 バイオマスに大量に流れて、素材流通は大きな変化が予測される。
 一般木材市場では、原木が集まらずヒノキ土台が特に品不足でる。

 12月以降の強含み価格動向には一層の注視が必要と思われる。
 
 2017年
  10 月

 10月22日衆議院総選挙の動向を注視し市況は模様眺め展開で推移。
 国際的には北朝鮮の緊張、中国共産党大会の習近平氏基本方針演説の強国体制確立
 宣言など予断を許さない状況が続いている。
 ドル高為替相場や石油など資源価格は上昇し、物流コストを押し上げてきた。

 米松、米ヒバ、SPFなど北米産針葉樹は山火事の影響もあり依然として供給が減っている。
 合板メーカーや大手製材業者は、原材料が不足しており生産力に余裕がなく、
 プレカット工場など直需供給へシフトし、一般流通への供給は減少している。

 プレカット工場の受注が堅調であることから市況は模様眺め展開なれど、
 先月に続き爆弾を抱えた局面であり注視が必要。

 米ヒバ、米ツガ、米松など北米針葉樹の大系木役物素材など資源の枯渇は深刻になり、
 セカンドグロス人工林の素材確保に中国などとの競争を強いられ、価格だけでなく量的な
 安定的な入荷は見込めない。
 SPF2×4部材の代替として、羽柄材タルキ、胴縁代替として国産杉を新設した。

 
 2017年
  9 月

 北朝鮮との緊張が続く中、安部内閣は9月28日衆議院解散することを明言した。
 国内景気は堅調な推移を見せているが、個人消費に陰りが見込まれる。
 2019年10月の消費税値上げまで景気を下支えするには、経済の安定が不可欠である。
 今後の北朝鮮情勢や為替動向など、不安定な要因を抱えながら動向を注視したい。
 10月以降の市況は爆弾を抱えているような局面も起こりえる状況である。

 東南アジア、北米など主要な木材産地での天候不順や山火事などにより原材料が不足している。
 産地の広葉樹輸入合板、米松構造材、羽柄材などが急激な値上げ攻勢となっている。

 天候不順や山火事などの一時的な要因によるものではなく、主要な産地国では中国を筆頭に
 世界的な規模で木材の買い付け競争が起きてきている。

 国内では輸入合板のコスト高により、大手合板工場は原材料を輸入広葉樹から国産材へとシフト。
 各メーカーとも針葉樹合板の厚物から薄物に至るまで商品多角化を図り需要を拡大してきた。
 フロア台板に国産針葉樹合板への転換が進み、国産材丸太は合板工場への販売が加速している。

 人出不足により原木供給力が増えることは見込めないので、今後の針葉樹合板価格は強含む。

 
 2017年
  8 月
 
 日本では次々発生する湿って空気を持つ低気圧や活発な前線により局所的な豪雨や雷が
 多発する天候不順が続いて、お盆休みなども重なり荷動きは停滞している。

 一方、インドネシア、マレーシアなどの合板産地でも天候不順により降雨が続き、合板用丸太
 の産出が停滞し、原材料不足から値上げの動きが強まっている。
 また、北米においても雷により山火事が多発し、針葉樹産地は甚大な被害が出ている。

 広葉樹合板の産地、インドネシア、マレーシアなど主要な合板メーカーでは原木不足が深刻で、
 丸太産出コスト上昇や中国向け市場の増加が産地価格を押し上げており、日本向け輸出は
 価格が合わず激減してきた。

 広葉樹、針葉樹の主要な合板、製材メーカーは品質にうるさい日本市場より中国向け輸出を
 優先して産地での日本の影響力や存在感は薄れてきた。

 国内需要は低金利を追い風にプレカット受注は堅調に推移しているが、輸入依存が高い
 合板、主要構造材は9月以降、一斉に値上げに動く気配であり、注視が必要。

 合板メーカーはフローリング台板や28ミリなど厚物、特殊寸法など受注が増えておりフル稼働
 しても12ミリ3×6一般住宅向け下地合板などは不足状態が続いている。
 そのため9月以降の価格値上げは必至と予測され、今後の動向には要注意。

 
 2017年
  7 月
 
 7月は梅雨前線や次々に発生する低気圧により九州北部や新潟や秋田で豪雨災害
 が発生しました。被災された方々に対し心よりお見舞い申し上げます。
 また被災地域の一日も早い復旧を願ってやみません。

 安部政権が打ち出した働き方改革や賃金上昇誘導により、様々な業種、業態の企業の生産
 コストはじわじわと上昇していくと思われる。一方個人消費は堅調に推移している。

 北米や北欧産地木材価格は品薄、強含みが続いているが、国内の木材流通は動きが
 悪く、産地高の価格転嫁が出来ず価格は横ばいと評定された。

 国産材杉、ヒノキ丸太の出材は例年並みだが、大半は合板やバイオマスへ流れている。
 一般製材用の木材原木市場の出材は少なく、夏場の時期は製材各社とも買い控えしている。

 
 
 2017年
  6 月
 
 例年初夏から8月まで木が水を吸い上げることや農業との兼業林業従事者が多く
 国産材丸太の供給は減少する。しかしながら構造用厚物やフロア台板などの需要が
 増大し国産針葉樹合板工場はフル稼働しており国産材丸太の出材は進んでいる。
 価格は横ばいながらヒノキの売れ行きは堅調、合板工場や大手製材へ流れている。

 半導体など先端IT産業の中国企業の企業買収や影響力はマスコミでニュースになるが
 石油、鉄鉱石などエネルギーや工業資源などの市場でも中国企業が躍進している。
 木材も例外ではなく北米などの木材産地でも、中国企業が台頭し産業用低品質な安価
 なものからCRL材など高品質高価格な品目に到るまで日本の仕入れ競争力は低下してきた。

 輸入資源に頼って来た日本の木材産業は、国産材へシフトする過渡期に差し掛かっている。

 北欧産針葉樹間柱、北米産構造材、羽柄材とも産地価格が高く輸入コストが高く
 値上げ姿勢が強まる気配である

 プレカット工場の受注は5月以降受注が堅調で新規の見積りも増えているようだが、
 6月時点の一般流通の木材市場の荷動きが悪く価格が横ばいとなっている
 
 2017年
  5 月
 
  入梅を控えていても個人向け低金利により引き続きプレカット工場の受注は堅調でる。
 しかしながらヒノキ土台角の品薄を除き、一般流通は極めて荷動きが悪く相場横ばい。

 国産材丸太は出材が進み価格は弱含み横ばいながらヒノキの売れ行きは堅調。
 杉の丸太の市場荷動きが悪く、合板工場や大手製材へ流れている。

 残業や労働の質を見直す働き方改革が潮流となりつつある中、木材業界でも
 今後議論が進むと思われるが、川下から川上まで零細な規模が多い我々の業界でも
 適正で健全な企業として収益を確保することが前提となる。
 
 
 
 2017年
  4 月
 
 
 トランプ政権の経済政策の読みにくい動向や北朝鮮をめぐる国際的な緊迫が続く中、
 各業界とも静観姿勢を強めており、新年度を迎えるこの時期としては、市況に好材料
 がなく市場は落ち着いている。

 国産材丸太はスギ、ヒノキとも出材が進み価格横ばいのまま荷動きが良い。
 5月以降は木が水を揚げる為素材仕入れに慎重な状況に入るため出材も減少していく。
 ラワン合板から国産針葉樹へとシフトを加速している合板メーカーは、代替素材として
 スギやカラマツではなく仕上がりが綺麗で強度があるヒノキへとシフトを強めている。

 個人住宅の新規プレカット受注は堅調であるが、分譲系デベロッパーは静観している。

 北米産針葉樹の主力品目の米松、米ヒバは入荷が少なく強含み、値上げ姿勢が強い。
 北欧産針葉樹間柱はコストが高い契約の入荷が増えているが、値上げが出来ない保合。

 スギ、ヒノキ国産材は構造材、羽柄材とも出材が安定し流通段階は荷動きが悪い。
 
 

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